日本 2000年の歴史上“最強の天皇”のヒミツ

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それは、西暦701年というのが濃厚です。

それまでの日本は、「倭（わ）」や「大和（やまと）」などと呼ばれていました。

「倭（わ）」というのは、中国が日本に使った蔑称。

当時の中国人が日本列島にやってきた時は、日本人のことを侮蔑し、

蔑称で「倭人」と呼んでいました。

しかし、701年に１人の"最強の天皇”により、「日本」が正式な国号として確立され、

日本人は「日本人」と呼ばれるようになりました。

701年、大法律令により「日本」を「国号」とし、

日本という国の形を作り上げた「国家の創造者」こそ、天武天皇です。

当時、日本は存亡の危機に瀕していました...

時は7世紀後半、倭(日本)と唐(中国)との大戦争が勃発。

しかし、倭(日本)は、この戦いに敗北。さらに国内でも混乱に次ぐ混乱。

東アジアの覇者・唐帝国の魔の手は、日に日に日本列島に迫ってきていました。

『集古十種』より「天武帝御影」矢田山金剛寺 蔵

天皇として即位したばかりの天武天皇は、深い不安を感じていました。

国の中を見渡せば、あちこちで豪族たちが好き勝手に権力を振るい、自分の利益だけを考えて争っています。誰も外国からの危険など気にかけていませんでした。そればかりか、中国からは「倭（わ）」という侮蔑的な名前で呼ばれ、野蛮な辺境の地として見下されていたのです。

しかし、天武天皇は決意します。「この国を、世界に誇れる強国にしてみせる」と...

まず天武天皇は、国家の統一に着手しました。各地の豪族たちは何世代にもわたって築き上げた権力を握っており、それを手放すはずがありません。しかし、このままでは唐の侵略を防ぐことはできない。天武天皇は、国を守るためには中央集権化が不可欠だと確信していました。

豪族たちは猛反発します。「なぜ我々の権力を手放さねばならないのか」と。しかし天武天皇は、その類まれな人心掌握力で、反発する豪族たちの力を制限していったのです。天武天皇は、時には厳しく、時には懐柔しながら、国家の未来のために必要な改革を行い、律令に基づく中央集権国家の基礎を築いていきました。

天武天皇は、制度を変えるだけでは国は一つにならないことを悟ります。「国の魂は、共有する物語にこそ宿る」—この深い洞察から、後の『古事記』『日本書紀』につながる「帝紀」と「旧辞」の編纂(へんさん)を命じたのです。

これは前例のない大事業でした。各地に散らばる神話や伝承を集め、矛盾する物語を整理し、一つの歴史として紡ぎ上げていく。気の遠くなるような作業でしたが、天武天皇は決して諦めませんでした。なぜなら、歴史をつくることこそが、唐への対抗意識を示し、日本人としての誇りと一体感を育む土台となると信じていたからです。

さらに天武天皇は、より大胆な挑戦に出ます。それまでの「倭」には見られなかった壮大な計画都市・藤原京の建設です。当時の技術では、まさに無謀とも言える大事業でした。

広大な土地の造成、精密な区画整理、膨大な資材の調達、数万人の労働力の確保—どれを取っても前例のない規模の事業でした。しかし天武天皇は、これなくして唐と対等に渡り合うことはできないと考えていました。

なぜなら、藤原京は単なる都ではありません。計画的に作られた近代都市こそが、文明国家としての証だったのです。

そしてこれら全ての集大成として、天武天皇は最も困難な課題に挑みます。「倭」から「日本」への国号の変更です。

長年、中国から蔑称として使われてきた「倭」。その呪縛から逃れ、「日本」という新しい国号を掲げることは、並大抵の決意では成し得ませんでした。それは、世界最強の唐に対して、対等な関係を求める挑戦状を突きつけるようなものだったからです。

この決断の凄さは、現代では想像もつかないかもしれません。しかし、当時の東アジアで、中国の冊封体制から離れて独立国家として存続できた国は、日本だけだったのです。後の歴史家たちは、この時代の選択こそが、日本が独自の文化と伝統を守り続けることができた最大の転換点だったと評価しています。

つまり、天武天皇という最強の天皇がいたからこそ、私たちは日本人として生まれ、日本で生きていくことができていると言えるのです。

神武天皇と八咫烏の肖像。 月岡芳年（1880年）

そもそもなぜ、天武天皇はこれほどの重大な偉業を成し遂げることができたのか？

そこには２つの理由があります。

１つは知っての通り、天武天皇が初代天皇・神武天皇の血を引いていることでした。

天照大御神の子孫である神武天皇の血を引いているということは、絶大な権威を誇るのです。

２つ目は、天武天皇が自ら剣をふるい、内乱を勝ち抜き、天皇として即位した歴史上唯一の人物だからです。元々、神武天皇の血を引くことで絶大な権威を誇っていたところに、「戦争の勝利者」という権威が加わったのです。

こうして、２つの権威が組み合わさったことで「最強の天皇」となった天武天皇は、

裏切り・内乱・陰謀といった様々な混乱を乗り越え、現代につながる「国家」としての日本を創り上げたのでした。「最強の天皇」である天武天皇は、現代日本と古代日本をつなぐ天皇と言えるでしょう。

しかし....

これほど重要な天皇のことを、日本の歴史教科書では、ほとんど教えてくれません。

天武天皇が『古事記』『日本書紀』を編纂して以来、ずっと日本の歴史は受け継がれてきました。しかし、1945年の敗戦が日本の歴史を捻じ曲げることとなったのです。

GHQは占領期間に、日本が２度と立ち上げれぬよう、日本人の共同体を壊すために、日本の歴史を消し去るために、「検閲」と「教職追放」を行いました。GHQの「検閲」によって教科書や新聞をはじめ、国民の目に触れるすべてのものがGHQにとって都合の良いように書き換えられまったのです。

こうして、大学から小学校に至るまで、戦後の歴史学会、歴史教師は戦前の犯罪者や共産主義者で充たされ、歴史学は反日左翼の巣窟と化していきました。

そして彼らが目をつけたのが、『古事記』や『日本書紀』です。

左翼学者たちは日本の歴史の始まりが書かれたこの２冊を否定し、教育として教えないことによって、その編纂を命じた天武天皇ごと、日本の歴史から消し去ったのです。

だから私たちはこの時代について、ほとんど知ることができなかったのです。

天武天皇を知らないということは、私たち日本人は、

古代日本と現代をつなぐ“蝶番”を外されている状態と言えます。

このままでは、世界最古かつ最長の文明・そして世界に誇るべき2000年を超える皇統を持っているのにもかかわらず、これから日本を受け継いでいく子供の代や孫の代には、古来から続く日本民族としての一体感と誇りを失い、日本人としての魂が完全に消えてしまうかもしれません。

しかし、自虐史観にも、もちろん皇国史観にも染まらず、客観的な事実とデータを基に歴史を読み解いていくと、日本の歴史教育は…特に日本の古代史はいかに「嘘まみれだったのか」ということが分かってきたのです。

そこで今回、三橋貴明は日本人の正しい歴史を取り戻すために新書籍を作成しました。その新書籍が「歴史教科書が教えてくれない最強の天皇」です。

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第一章

古悲 劇 の 主 人 公 と な っ た世 界 の 英 雄 た ち

・“ 調 和 ” を も た ら し た 人 類 最 初 の 英 雄 ギ ル ガ メ ッ シ ュ・・・p10

・権 力 を 薄 め る こ と で 調 和 を も た ら し た カ エ サ ル・・・p16

・英 雄 の は ず が …… フ リ ー ド リ ヒ 二 世 と ア ル ＝ カ ー ミ ル・・・p19

・カ ト リ ッ ク 教 徒 に 暗 殺 さ れ た 「 異 端 の 王 」 ア ン リ 四 世・・・p22

第二章

日 本 に 伝 わ る高 貴 な る 血 統

・日 本 史 上 最 大 の 英 雄 、 聖 徳 太 子・・・p32

・偉 大 な る 人 物 の 血 を 受 け 継 ぐ 「 権 威 」 あ る 者 た ち・・・p37

・高 貴 な る 血 統 を 誇 る 山 背 兄 王・・・p41

・神 武 天 皇 、 日 本 武 尊 、 神 功 皇 后 。 古 の 英 雄 た ち と の つ な が り・・・p50

・慢 心 し た 蘇 我 蝦 夷 が 招 い た 政 治 腐 敗・・・p54

・聖 徳 太 子 一 族 の 哀 し く も 美 し き 最 期・・・p59

・馬 子 、 蝦 夷 、 入 鹿 は 改 名 さ れ た!?・・・p66

・神 主 に な ら な か っ た 硬 骨 漢 、 中 臣 鎌 足・・・p72

・権 勢 を 極 め た 蘇 我 入 鹿 の 最 後 ── 。「 乙 巳 の 変 」・・・p76

・歴 史 上 初 め て の ケ ー ス だ っ た 天 皇 の 譲 位・・・p85

第三章

あ え て 天 皇 に 即 位 し な か っ た中 大 兄 皇 子

・「 日 本 」 と い う 国 号 は い つ か ら 使 わ れ 始 め た の か・・・p96

・何 百 年 も 続 い た 三 国 時 代 は な ぜ 唐 突 に 終 焉 し た か・・・p104

・な ぜ 中 大 兄 皇 子 は 天 皇 に 即 位 す る こ と を 避 け た の か・・・p109

・日 本 ・ 百 済 連 合 軍 v s 唐 ・ 新 羅 連 合 軍・・・p115

第四章

法 治 国 家 と し て の日 本 建 国

・現 代 の 感 覚 で は 理 解 し に く い 複 雑 な 血 縁 関 係・・・p126

・飛 鳥 京 の 支 配 権 を め ぐ り 繰 り 広 げ ら れ た 泥 沼 の 戦 い・・・p140

・恩 義 の あ る 先 代 の 天 皇 の 息 子 に 矢 を 向 け ら れ な い 豪 族 た ち・・・p148

・幕 を 閉 じ た 古 代 日 本 に お け る 最 大 の 内 戦 「 壬 申 の 乱 」・・・p152

・法 治 国 家 と し て の 日 本 を 建 国 し た 天 武 天 皇・・・p159

・古 事 記 、 日 本 書 紀 の 編 纂 も 天 武 天 皇 の 時 代 か ら 始 ま っ た・・・p164

・日 本 国 民 と し て の 共 同 意 識 を 持 た せ る た め の 『 古 事 記 』 編 纂・・・p173

・万 葉 集 に 残 さ れ て い る 天 武 天 皇 が 詠 ん だ 歌・・・p179

・天 武 天 皇 の 崩 御 後 、 天 皇 不 在 の 期 間 に・・・p184

第五章

女 性 天 皇 の 時 代

・謎 に 包 ま れ て い る 草 壁 皇 子 の 死・・・p196

・実 質 的 な 権 力 者 と し て 政 治 を 司 っ て い た 讃 良 皇 后・・・p201

・「 大 化 の 改 新 」 を 主 導 し た 中 臣 鎌 足 の 息 子 、 藤 原 不 比 等・・・p207

・持 統 天 皇 以 降 も 続 い た 女 性 天 皇 の 時 代・・・p212

・「 大 宝 律 令 」 交 付 も 持 統 天 皇 の 事 績・・・p218

・息 子 か ら の 譲 位 を 一 度 は 断 っ た 阿 閉 皇 女・・・p224

・日 本 初 の 流 通 貨 幣 「 和 同 開 珎 」 の 誕 生・・・p227

・平 城 京 へ の 還 都 を 認 め た 本 当 の 理 由・・・p231

・親 か ら 娘 に 皇 位 が 受 け 継 が れ た 初 め て の ケ ー ス も・・・p235

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経済評論家

三橋貴明

TAKAAKI MITUHASHI

経世論研究所所長。作家・経済評論家。中小企業診断士。

1994年、東京都立大学(旧:首都大学東京)経済学部卒業。

外資系IT企業ノーテルをはじめNEC、日本IBMなど を経て2008年に中小企業診断士として独立、三橋貴明診断士事務所を設立した。

現在は、経済評論家、作家としても活躍中。2007年、インターネットの 掲示板「2ちゃんねる」において、公開データの詳細な分析によって韓国経済の脆弱な実態を暴く。

これが反響を呼んで『本当はヤバイ!韓国経済』(彩図社) として書籍化されて、ベストセラーとなった

経済評論家、三橋貴明は、公表されたデータや事実に基づいた主張でさまざまな「デタラメ」を暴いてきたことで知られる。韓国企業が躍進している中「日本も韓国に見習え」という空気が強かった時代には、データに基づいて、本当は脆弱であった韓国経済の正体を暴いた。借金1000兆円で日本がデフォルトすると言われてた頃には、親会社が子会社に借金しているだけで実際上は、そんな問題は存在せず、日本経済は世界で一二を争うほど、強く健全だという事を明かした。

もともと日本は昔から大国で、今でも世界の覇権を握れるポテンシャルはある。しかし、このような間違った情報や、マスコミの自虐史観などのせいで、本来のポテンシャルを発揮できずにいて、日本を弱体化させている。三橋貴明は、それを正すため10年以上も、さまざまな形で情報発信、言論活動を続けてきた。年に200回を超える講演活動、与党幹部へのレクチャーなど高い評価を受け、毎年10冊近い執筆を続け、累計の書籍は100冊を超える。異能の国士であり経済評論家である。

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